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独り

もうすぐ23になる私。生きてきた22年の間に友と呼べる人間は、小学校、中学校、高校とそれぞれ在籍した期間だけいた。
それが終わると独りになる。談笑や食事を共にしたりする友はいない。このまま永遠にその場限りの人生が続くのかと思っていた。
しかし、違った。人間一度や二度人生の転機とも呼べる機会が訪れる。それが恋である。18歳の冬一人の女性と恋に落ち5年間付き合った。
その期間は陳腐な台詞で喩えるなら世界が華やいでいたとでも言うのだろうか。事実、生き生きとしていた。
色々な発見や悲しみ、喜びなどを共感しながらやっと一人ではない時期が訪れた。それを私は甘く見ていた。
この人なら許してくれる。この人なら分かってくれる。自分だけの世界に入っていってしまい彼女を失った。
別れた直後の世界はどす黒く、何もやる気が起きない状態だった。喪失感も当然あったが、何とも言えぬ気持ちに包まれた。
それは涙を流したり、ぼーっと意識を遠くに追いやったりといった物ではない。何か分からないものが自分の体を包み込み自然に人と関わらなくなっていった。
関わらなくなった期間は正確には覚えていないが、数ヶ月というところだろう。食欲もなく、会話をする相手も悲しみを打ち明ける相手もいないので
余計に自分を包んでいる何かが分厚くなっていった。それが恋により柔和され忘れていた何かをまた再び蘇らせたのだと気づいたのはつい最近のこと。
その何かとは独りであったという事。元々独りであった人間が恋により相手がいるという事を実感してしまうと、何も知らなかった独りの自分には戻れない。
つまり、今の私は毎日生きていて独りであったと言うことを認識できずにただただ日々が流れていくという生活をしている。
墜ちる一方である。